モチベーションの上がらないガントチャートは昔から嫌いだった


進捗管理が好きな人はいるだろうか。
私は嫌いだ。
強迫観念で仕事をするみたいで今でも好きになれない。

現在進捗は何%か。ここまで予定の何%の工数を投入してきたか。何日遅れか。
単純作業をするならその管理の仕方も分からなくはないが、
今まで経験や実績のない作業が遅れているのをなぜ計画通り行かないか問われても、
これが現実だとしか言いようが無い。
だったら計画通り出来る経験者連れて来いと言いたいくらいだ。

進捗管理にはWBSが作られガントチャートが使われる。
そしてガントチャートはいつも遅れたり前倒ししたりしているが、
全体がどういう状況なのか作業の担当者にはさっぱり分からない。
分からないから自分の作業さえやっていればいいという心理になる。
そして皆自分の予定がオンスケジュールであればいいように
完了日に合わせて仕事をしている。
与えられた納期ギリギリで自分の仕事を割り振りしているのだ。
誰にも罪はない。

そして実際の現場は制約が一杯だ。
工場や工事だと機械の制約があるだろう。
この工程にはこの機械しか使えないからいくら納期が迫っていても最低かかる時間というものがある。
だから単純に納期から逆算しただけの工程表は管理表とは言えない。
ソフトウェア開発だとこの制約条件を握っている機械を人に置き換えることができる。
いくら工程が並行に計画されていようが一人の人間が一度にできるのは一つのタスクしかない。
ましてその人のスキルに頼るしか無い作業はその人がクリティカル・パスを握っていることになる。
その人が遅れると全体が遅れるのだ。
まるで鎖でつながれているみたいに。

こういう状態の時に必要なのは全体の工程の鍵を握っている人が抱えている仕事のし辛さを少しでも多く取り除こうという気持ちだ。
チームがこのクリティカルな人の状況を気にして自分ができるものは手を出し早く次の工程にバトンタッチさせてやることだ。
しかしガントチャートやイナズマ線からはそういう状況は何も分からない。
単にそのタスクが遅れているか進んでいるかだけ。
クリティカル・パスが一体どれ位遅れていて余裕をどれ位食い潰しているのか。
残り20%などという曖昧な数字よりも残り何日でその作業は終わるのか。
全体に残された日数は。
そして誰が頑張れば全体が前倒しで進むのか。
あるいは誰を助ければ全体のためになるのか。
進捗管理の資料を見てここまでわかればモチベーションが上がるというものだ。

ここまではクリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント(CCPM)(by Wikipedia) という手法を聞きかじっての自分の思いでしかなかったのだが、やっと実践してみる機会を得た。
難易度は低いがプログラム本数が多いためCCPMもどきを試してみるくらいは出来そうだ。
ガントチャートに代わる進捗管理資料など試行錯誤してみて、
またここで報告したいと思っている。



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