ニセICTの現場

事務の現場でこんな思いを抱いている担当者の方々は居ないだろうか。

現場で行われている無駄な事務を集約しICTによって自動化することでワークフローを改善し、本来やるべき事業へ人材を集中する。そのために人・物・金をかけてワークフローにシステムを導入したはずではなかったか。しかしこの忙しさは何だ。ワークフローを使いこなせない管理者の為に担当者が資料を作り直して提供しているようなものだ。しかもEXCELで。

とはいってもまだ下図のようにシステムが分かれているというのならまだわかる。最終的に資料a’が欲しいのだがシステムが分かれているために資料aを要求するのは無理もない。


 しかし、時代は下図のような新しいシステムの夜明けを迎えたはずではなかったのだろうか。最終的に資料a’が欲しい人は自分でシステムから作れるはずだったのではないのか。データは既に一つのシステムに入っているから、いちいち現場に資料aを要求しなくても良くなったのではないのか。そんなに資料aが欲しかったら欲しい人が欲しい時にシステムから取り出せるはず…だったのではないのか。


しかし現実は下図となる。人の手間はそのままにシステムが増えただけ。と言うかこれはシステムですらない。


何が足りないのか。それは最終的に資料a’が欲しい人が真剣にシステム導入にコミットしていなかったことが原因だ。今まで人に作らせていた資料aをシステムに作らせるのでは意味がない。自分が欲しい資料a’そのものをシステムに作らせなければ。
しかしその人は前から使っていた資料aが目の前に揃いさえすればいいのだ。そのデータを揃えるためにどれ位の工数がかかっているか気にも留めずに。

こんな声が聞こえる。
「それをうまくやるのがシステムエンジニアじゃないの?」
そんな声にはこう答える。
「仕事のやり方まで我々が決めちゃっていいんですか?」


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