もう30年以上も前、私が新人だったころ。その日は、とあるサブシステムの設計書が一括外注先から納品されるという日だった。結局外注先のリーダーは現れなかった。後で聞いたが、ここには書けないような事態となっていた。
プロマネは毎週ガントチャートで進捗管理していたが、結局成果物は完成しなかった。ガントチャートはずっと遅れを示していたはず。そして進捗の度合いは自己申告だったのだろう。現物を見ていたらそれが納期までに完成しないことなどすぐ判ったに違いない。
外注先の選定はどうだったのだろう。その仕事を受ける力量はあったのだろうか。プロマネに調達先選定の権限がなかったのかも知れない。権限があったとしても、どちらの会社も実績のない初の仕事だったはずなので、力量も測れなかっただろう。
- 進捗の度合は、自己申告させずに現物で判断する。
- 実績のない技術に関する希望的観測は、力量に関わらずプロジェクト全体のリスクとして共有する。
そう言えば、そのサブシステムのリーダーは時々新人の私のところに来て、私がやっていることを覗いていた。誰でもいいからサンプルとなりそうなものを物色してまわる。そんな感じだった。残念ながらデータベースチームの新人の私には、RS-232cの通信プロトコルを実装したAPIを設計し、更にそのAPIを使った業務アプリケーションを設計することは無理だった。30年後の今なら、彼はネットを探し回っていただろう。もしかしたら探し当てることができて、何とかなったのかも知れない。
契約を結んだのならお互いに腹を割って最善策を練れなかったのだろうか。『進捗管理』と聞くといつもこのことが頭に浮かんでくる。
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